2008年11月09日

エクアドル LDUキトについて

日本で12月に開催される、TOYOTA プレゼンツ FIFAクラブワールドカップ ジャパン 2008へ出場する、南米代表 エクアドルのLUDキトについて詳しくご紹介します。

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LDUキトの優勝で勢いづくエクアドル

■エクアドル初のコパ・リベルタドーレス優勝

コパ・リベルタドーレス優勝を果たし、エクアドルに初のトロフィーをもらたしたLDUキト【Photo:ロイター/アフロ】 エクアドルのフットボールは“南米の弱小国”というこれまでの評価を返上し、重要なステップを踏み出した。特に近年の発展は目覚しく、アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイといった伝統的な南米の強国に徐々に近づきつつあるほどだ。先のコパ・リベルタドーレスではLDUキトが驚きの優勝を成し遂げ、エクアドルに初めての殊勲をもたらした。決勝で破ったのはブラジルのリオデジャネイロを本拠地とする、強豪のフルミネンセ。しかも、第2戦は9万人を超える相手サポーターで膨れ上がった伝説のマラカナン・スタジアムで行われたのだった。



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 今季のコパ・リベルタドーレスにおいて、LDUキトは決して本命ではなかった。何しろ、48回を数える大会において、エクアドル勢が優勝したことはこれまで一度もなかったのだ。今大会も前回王者のボカ・ジュニアーズ、リバー・プレート、サン・ロレンソ、エストゥディアンテスなどのアルゼンチンの強豪、フラメンゴ、サンパウロ、サントスといったブラジルの実力派、新進国のメキシコからもチバス・グアダラハラ、クラブ・アメリカなどが参加していた。

 LDUキトは、ラウンド16でエストゥディアンテス、準々決勝でサン・ロレンソ、準決勝でクラブ・アメリカと、難敵相手にきん差での勝利をものにしてきた。フルミネンセとの決勝でもホームでの第1戦を4−2で制したものの、敵地での第2戦は90分を終えて1−3。アウエーゴールルールはないため、トータルスコア5−5で試合の行方は延長戦に委ねられた。そして120分を終えても決着はつかず、PK戦に突入。元浦和のワシントンがPKを失敗した瞬間、LDUキトが死闘に終止符を打った。

■“異端”な勝ち上がり
 グループリーグでのLDUキトは、決して目立った存在ではなかった。人々がその存在を認識したのは、ラウンド16で優勝候補の一つでもあったエストゥディアンテスを破る“サプライズ”を起こしてからだ。
 アタッカーのルイス・ボラーニョス、アルゼンチン人のMFダミアン・マンソらがチームの中核を担うが、最大のスターはスピードのある右ウイングのジョフレ・ゲロンである。また、37歳のベテランGKホセ・フランシスコ・セバジョスが加入してからはディフェンスラインが安定した。サン・ロレンソとの準々決勝、元エクアドル代表の守護神は、トータルスコア2−2で迎えたPK戦で決定的な仕事を果たした。そして特筆すべきは、フルミネンセとの決勝第2戦である。セバジョスはフルミネンセのPK4本中、ダリオ・コンカ、チアゴ・ネバス、ワシントンの蹴った3本をストップしたのだった。

 しかし、南米チャンピオンとなったLDUキトが、単純にいいチームだとは断定できない。ディフェンスよりは攻撃力にベースを置いており、今大会もギリギリのところで勝ち上がってきた。その戦い方は、むしろ“異端”とも言えるだろう。言い換えると調子の波が激しく、時に守備において大きな綻(ほころ)びをのぞかせる。常に“弱点”をさらけ出しているのだ。決勝でもフルミネンセはサイドから1点を挙げたが、LDUキトのDFたちは皆、眠っているかのようだった。

 戦術においては、アルゼンチン人監督のエドガルド・ボーザ(エクアドルでLDUキトを、かつてはペルーでスポルティング・クリスタルをリーグ王者に導いている)は基本的に3バックを採用し、中盤を厚くしている。
 また、4人の外国人選手の貢献度も大きい。前述のマンソに加え、センターバックのノルベルト・アラウホ、FWのクラウディオ・ビエレルのアルゼンチン人3人、そしてパラグアイ人MFのエンリケ・ベラである。傑出したパーソナリティーでチームをまとめるキャプテンのパトリシオ・ウルティアも、左サイドのパウル・アンブロッシも欠かせない。

■2大会連続でW杯出場を果たしたエクアドル代表
 6月15日、リバープレートの本拠地エル・モヌメンタルで行われた2010年ワールドカップ(W杯)予選、エクアドル代表は試合終了直前まで、アルゼンチンに1−0とリードしていた。しかし後半ロスタイムにロドリゴ・パラシオのゴールが決まり、アルゼンチン戦の勝利は泡と消えた。とはいえ、1−1は立派な結果である。アルゼンチンにはリオネル・メッシ、セルヒオ・アグエロ、ファン・ロマン・リケルメをはじめ、世界的に名の知られた選手がそろっていたのだから。

 エクアドルは2002年の日韓大会でW杯初出場を成し遂げた。この時はグループリーグで敗退したが、前回のドイツ大会では決勝トーナメントに進出した。イングランドに0−1で惜敗したが、見事ベスト16入り。エクアドルのフットボールが大きく成長していることを証明した。

 隣国のコロンビアが90年代に経験したように、世代として実力のある選手を輩出しているだけではない。当時のコロンビアはリンコン、バルデラマ、アスプリージャ、バレンシア、バレンシアーノ、セルナ、コルドバ、ベルムデス、ゴメス、リオネル・アルバレスといった素晴らしいタレントを擁していた。だがエクアドルの場合、状況は異なる。パフォーマンスの輝きから言えば、当時のコロンビアにはかなわないが、基本戦術がより徹底している。メディアのフットボールに対する温度が高く、指導者たちの新しい戦術や戦略を吸収しようとする意欲も高い。

 従って、今回のLDUキトの快進撃は決して偶然ではない。過去2大会のW杯出場も然りだ。エクアドルのフットボール界がこのまま継続性を持って歩みを進めれば、国際大会における常連国となる日もそう遠くはないだろう。




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